知り合ってから、9年余り、お世話になったパンの
先生が亡くなった。
8年前に一度、乳がんを患われ、でも、回復し、
3年前に再発。すでに骨に転移していたけど、
とても気丈で、パンの講師も他のお仕事もこなされていた。
この3年の間に、何度か入退院を繰り返し、体重は落ちたけど、
この3月までは、パンのお仕事をされていた。
先生にとって、私は唯一の弟子にあたる。
だから、いろんな事を教えていただいたし、いろいろ融通を
きかせていただいていた。
私は、弟子としては過保護にされていたと思う。
最期の数か月、自分で教えることが出来ないと判断し、
私の行く末を案じ、配慮いただいたおかげで、無事、移籍という形で
私が、スクールで続ける道を作ってもらった。
それでも、少し焼き型が足りない時や、相談したいことなど、
うかがって、教えていただいたり、型を貸していただいたりした。
1か月ほど前、「欲しい型があったら、あげる」と言うので、
これは、先生、自分が長くないと悟ったのかなと思った。
勿論、全くいただくことはせずに、小額だけど、お金を支払って、
譲り受けることになった。
そして、オーブンも、もらって欲しいと言うことだったので、
それも譲り受けることに・・・・
その、やり取りで、ここ10日ほど頻繁に、連絡を取り合っていた。
一時は、連絡が取れず、心配していたら、やはり具合が悪かったらしい。
そんなこんなで、先週日曜日、オーブンを受け取りに行った時、
自分の力で、立てないということだった。
ほんの10日前は、立って、迎え入れてくれて、見送りもしてくれたのに・・・
オーブンをいただいて、帰る道すがら、「何かあったら、連絡欲しいと、
ご家族に伝えようか・・・・・」とも思っていた。
でも、まだ入院せず、家で過ごされていたし、もう少し先だと信じていた。
そしたら、それから3日で連絡があった。
知り合いの中では、私が一番最後に、会った人になるらしい。
すごくお世話になったから、すごくショックだった。
お通夜でも、お葬式でも、ご遺族が号泣されていて、私も泣いてしまった。
パン作りだけでなく、お料理も上手で、その点でも、とても参考に
させてもらっていた。
最期の方は、お料理も出来なかったけど、それでも、行くと必ず、
大好きなビールを飲んでいた。
好きなことをさせてあげたいと思い、最後の2回は、ビールを
持参して、先生のお宅に伺っていたけど、最期に私が渡したビールを
飲んだ後、亡くなったらしい。
ご遺族には、私の存在があって、先生が幸せだったと言っていただいた。
「どうか、心安らかに眠ってください。
先生の分まで、頑張りますね。」
今日は、先生の弔いのために、先生が大好きなビールを飲むことにしよう。
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